
ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。
今回は、『THAT/ザット』という、無駄にややこしいタイトルのホラー映画のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきませぅ。
目次
『THAT/ザット』概要
原題:『BEDEVILED』
製作:2016年アメリカ
日本公開日:???
上映時間:1時間39分
オススメ度:★★★☆☆(三ツ星)
『THAT/ザット』の予告編動画
『THAT/ザット』のあらすじ
親友のニッキが謎の心臓発作で亡くなり、悲しみに囚われてしまったアリス。
アリスは、恋人や友人たちから励まされながら、学校生活を送っていた。
ある日、死んだはずのニッキのスマートフォンから、アプリの招待状が届く。
ニッキのスマホから自動配信されたのだろうという友人の言葉を聞いて、アリスはそのアプリをダウンロードする。
そのスマホは、Siriのような機能を有しているもので、なかなかに便利だった。
しかし、時々、妙な動作を見せるため、アリスは、そのアプリを好きになれないでいた。
次第にアプリは、不気味な挙動で、アリスに恐怖を与え始める。
『THAT/ザット』のスタッフ
監督・脚本・製作:アベル・ヴァン、バーリー・ヴァン
製作:チェン・ヤン、レン・ヤン
音楽:デヴィッド・C・ウィリアムズ
『THAT/ザット』のキャラクター:キャスト(出演者)
アリス:サクソン・シャービノ
コーディ:ミッチェル・エドワーズ
ダン:ブランドン・スー・フー
ヘイリー:ヴィクトリー・ヴァン・タイル
ニッキ:アレクシス・G・ザル

THAT/ザット(字幕版)
『THAT/ザット』は『IT/イット』のパクリ映画?

邦題のおかげで、なんだかややこしい感じになっている映画『THAT/ザット』。
原題は『BEDEVILED』なので、『IT/イット』と直接的な関係はもちろんありません。
あくまで、ニューセレクトさんが勝手な邦題を付けた、『IT/イット』便乗映画となっております。
どうしてパクリと言われているのかといえば、劇中にピエロが登場するからですね。
ただ、ピエロが登場するだけなら、パクリ映画とは言われませんよね。
赤い風船が登場しても、遊園地にいるピエロが持っているじゃん!って言ってしまえば、その主張は通ります。
海外では「ピエロ恐怖症(クラウン恐怖症)」を持つ人々が多いので、ホラー映画の題材に扱われるのもわかります。
しかし!!
そのピエロが「その人が抱いている恐怖を具現化する」存在なら、話が変わってきます。
まんま、ペニーワイズじゃねぇか!
おそらく、この映画を手掛けたヴァン兄弟は、田舎町から離れられない一種のニートであるペニーワイズを、現代風に進化させたかったのかもしれません。
本作では、アプリがキーアイテムとして登場します。
便利なアプリ。友達から紹介されたアプリ。
そういう修飾語の付いたアプリであれば、躊躇することなく、ダウンロードして、インストールする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういう日常に潜む恐怖とペニーワイズの不気味さをミックスさせているからこそ、鑑賞した方々から「『IT』のパクリだ!」って言われてしまっているのでしょう。
個人的には、確かに多くの類似点を感じましたが、かといってパクリかと言うと、そこまで酷く感じませんでした。
『THAT/ザット』のネタバレなし感想

邦題からして、明らかに『IT/イット』の便乗映画であることはわかっていたので、思い切り笑い飛ばしてやろうと、ほとんど期待しないで鑑賞したのですが、これが意外な拾い物でした。
案外に悪くはないテイストのB級ホラー映画でございまして、日頃からB級映画Z級映画を嗜んでいる方なら、それなりに楽しめる作品になっています。
ラストまできっちりと作っているし、謎のアプリについても、ある程度、劇中において言及されているので、B級ホラー映画としてのクオリティーは、意外と高かった作品です。
『THAT/ザット』の良いところ

大きな音と突然に怪人が登場するビックリ系の演出が多いのですが、B級ホラー映画にしては珍しく、グロ描写がない点が好印象。
グロ描写に頼ることなく、不気味な雰囲気だけで恐怖を想起させようという心意気は、とても良かったですね。
登場人物が抱いている恐怖の対象がクリーチャーとなった怪人たちの雰囲気もダークで、なかなか良いものに仕上がっておりました。
雰囲気系ホラー映画がお好きであれば、チャレンジしてみても損はないかな?って感じです。
『THAT/ザット』の悪いところ

不気味な雰囲気を味わえる本作ですが、ストーリーが途中で単調になってしまったのは残念です。
主人公が、アプリが襲いかかってくると主張しても、友人たちは信じないという流れはわかります。
一人目が犠牲になり、じょじょにみんなもおかしな現象が起こっていると気づき始める中盤以降、本当であれば、『IT/イット』のように、団体行動をとるはずなのですが、本作では最後まで個人プレーにこだわります。
そのため、一人ひとり、怪人に襲われていく訳ですが、それが単調になった原因なんです。
キャラクターそれぞれに、恐怖の対象があるので、それぞれにホラー的見せ場を作りたかったのはわかります。
しかし、そこにこだわりすぎて、途中で退屈になってしまったのはマイナスポイントですね。
ここさえ工夫を施していれば、もう少し違った評価を受けたかもしれず、とても残念。
『THAT/ザット ジ・エンド』は続編?

今回、私が『THAT/ザット』をレンタルしたのは、新作DVDに『THAT/ザット ジ・エンド』があったからです。
まさか続編が出るとは思わなかったので、「マジか?!」とテンションがあがってしまい、『THAT/ザット』と『THAT/ザット ジ・エンド』を一緒にレンタルしました。
で。
結論からいうと、『THAT/ザット ジ・エンド』は……
続編じゃないから気をつけろ!!
『THAT/ザット』のレビューや評価
せっかくモチーフや、とっかかりはいいのだけど、脚本とか映像の撮りかたがありきたりすぎるかな。
Yahoo!映画
まあまあ面白い。全然怖くないけど。
Yahoo!映画
『THAT/ザット』のネタバレなし感想のまとめ

雰囲気系ホラーで、登場人物たちの恐怖が具現化するという内容で、さらにグロ描写がない。
そんな訳で、本作の視聴には想像力が必須となっております。
イマジネーション力があまりないと、この映画で怖がるのは、かなり難しいと思います。
視覚的ではあるのだけど、そこに頼らなかったため、一般ウケはしないホラー映画となっております。
雰囲気系ホラー映画がお好みの方にはオススメできるけど、それ以外の方はスルーしておいた方が良いかな?
という事で、ここまでは『THAT/ザット』のネタバレなし感想でした。
これより下には、ネタバレありの感想を書いております。おっさん999のネタバレあり感想に興味がおありの方については、本作の鑑賞を終えた方のみ、ネタバレありの感想に目を通して頂けると幸いです。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
意外と良かった便乗映画です。
続編っぽい邦題が付いていますが、続編にあらず。
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『THAT/ザット』のネタバレあり感想
そんな訳で、ここからはネタバレを含んだ、おっさんの感想を書き連ねていきたいと思います。

終わり方がしっくりくる
アプリを駆除して、アリスは助かったので、ハッピーエンドで終わるのかと思いきや、最後まで健闘していたコーディがアプリのアンインストールに失敗して、お亡くなりになりました。
数ヶ月後、アリスは大学に進学しているらしく、電話で母親と話しているのですが、母親があのアプリを使用していて……というところで、エンドロールです。
この終わり方は、なかなか秀逸ですね。
本作は、「恐怖」をテーマに扱っているため、本来であれば、無理に登場人物を殺さなくても大丈夫です。
でも、物語を展開していくには、キャラクターが脱落していった方が簡単だし、観客にとってもわかりやすい。
だからこそ、最後に「まだ終わっていない恐怖」をアリスと観客に叩きつけるというエンディングは、本作らしい終わり方で、個人的には好印象でした。
人類終了のお知らせ
人を死に導くアプリ「ビー・デビル」は、多くの人々のスマホにインストールされているようです。
劇中でも、それについて言及されています。
でも、そうなると、どんどん人がいなくなってしまい、いずれ人類が滅亡します。
本作では、「ビー・デビル」の利用拡大について制限を設けなかったため、人類滅亡という無駄に壮大な展開に結びついてしまう。
劇中では、そのあたりに関して言及はなかったのですが、観客からしたら「一体どうするの??」って心境に陥ってしまう。
アリスは今回の件をSNSやブログ、ホームページに書き込んだりしていないから、そこまで考えが及んでいない。
とすると、人類が終わるのも時間の問題です。
アプリに制限をかけないのなら、「ビー・デビル」を撃退する方法を、もうひとつくらい考えても良かったのではないでしょうか。
「ビー・デビル」が恐怖そのものであるなら、その恐怖に打ち勝つことも可能なはずです。
別の解決策を提示することで、少なくとも「ビー・デビル」に対抗できるんだと観客は理解して、モヤモヤしないで済みます。
最後の最後で、「え、どうするの??」って感じになって、そこが残念でした。
という訳で、今日はここまで。
本当に最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!