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『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』のネタバレなし感想/映画とは少し異なる趣が味わえる、少し読みづらい怪奇小説
『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』(THE HELLBOUND HEART)/クライヴ・バーカー/宮脇孝雄(訳)
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映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回は、カルト映画のひとつとなっている『ヘル・レイザー』の原作小説、『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』のネタバレなし感想を書いていきたいと思います。

元々、『魔道士』というタイトルで集英社から発売されたのですが、その後、『ヘルバウンド・ハート』として、改めて集英社から発売された小説です。


子供の頃からクライヴ・バーカーの存在は知っていましたが、小説の表紙がおどろおどろしいものばかりで、興味はあるけれど……うーむ……って感じでした。

それから、全くクライヴ・バーカーの小説には手を付けていなかったのですが、少し前に、「ちょっと原作を読んでみよう」と思い立って、書籍を購入しました。


『ヘルバウンド・ハート』は、1989年に刊行されて以降、新しく刊行される事はなかったようで、現在、本書籍は古本でも、そこそこの価格で販売されている状況です。

お店によっては、手頃な価格で販売されているかもしれませんので、興味のある方は、調べてみてください。

また、近所の図書館に置かれている可能性もありますので、そちらも検討して頂くと良いかもしれません。

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『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』について

原題:『THE HELLBOUND HEART』CLIVE BARKER

著者:クライヴ・バーカー/宮脇孝雄(訳)

出版日:1988年『魔道士』/1989年6月25日『ヘルバウンド・ハート』

出版社:集英社

オススメ度:★★★☆☆(三つ星)

簡単なあらすじ

あらゆる快楽に手を染め、それでも満足することができない放浪者のフランクは、至上の喜びを求めて、ついに<ルマルシャンの箱>を手に入れた。

そうして、<ルマルシャンの箱>のパズルを紐解き、<魔道士>を召喚することに成功するが……その様子は、フランクの想像とは、あまりにもかけ離れていた。


相続した一軒家に引っ越してきたローリーと、その妻ジュリア。

一緒に相続したフランクは行方不明となり、連絡が取れないこともあって、ローリーが引っ越しを決断したのだった。

新しい生活が始まり、全ては順調に行くはずだったのだが、ジュリアは、結婚式の一週間前に出会ったフランクとのひとときが忘れられないでいた。


ある事がきっかけで、家の2階にある、ひとつの部屋が奇妙であることに気づくジュリア。

その姿を心配して、ローリーは自分の娘であるカースティに相談するのだった。



ヘルバウンドハート (集英社文庫 ハ 5-8)

おっさんのネタバレなし感想

ホラーというよりは怪奇小説に近いかも?

本書籍は、映画『ヘル・レイザー』の原作小説となっており、ノベライズ本にはなっておりません。

そのため、細かい部分で、映画との差異があります。


さて、『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』を読んでみて驚いた事は、映画では印象的だった<魔道士>(セノバイト)たちは、あくまでサブキャラクター的な立ち位置にいるということ。

<ルマルシャンの箱>を通じて、快楽を求め続けた哀れな者の末路をメインに描いているように、私は受け取りました。

そういった主題があるので、映画版以上に、「性と死」が表現を変えて、ずっと書き綴られている小説となっております。


直接的に恐怖を描写したり、拷問のような苦痛を通して恐怖を演出する……というよりは、言葉で表現された状況を想像し、それに対して身震いするというような、怪奇小説に近い性質のものかもしれません。

映画では、スプラッターシーンなども多く、直接的な表現がありましたが、本作では読者のイマジネーションに任せる部分が多くを占めている……そんな気がします。

肌にまとわりつくような……粘着質的な気持ち悪さがあって、なかなか不気味で面白かったです。

ホラー小説と怪奇小説の違いは、人によって異なると思いますが、私は怪奇小説っぽいなって印象を持ちました。

わかりにくい部分がある小説

これは翻訳による部分もあるかもしれないのですが、一部、わかりにくい部分がありまして、読んでいる時に、都度「???」に襲われることになりました。

一番困惑した部分は、ローリーとカースティの関係です。

映画では親娘であるということが早々にわかるようになっているのですが、『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』では、明確に書かれている部分が後半に登場するようになっています。

通常であれば、まぁ問題ないのかもしれないですが、問題なのは、カースティが登場する場面で、ローリーに仄かな恋心を抱いているような表現があることです。

この場面をスルーしても、その後に登場するカースティは、やはりローリーに想いを寄せている節があります。

カースティが中学生や高校生であれば、まだわかるのですが、後半のシーンで、そのような年齢ではないことが明らかになります。

終盤になるまで、二人の関係性がわからない状況で、ローリーとジュリア、カースティの関係は、一体どういうものなのか、本筋とは違うところで引っかかってしまって、勿体ない感じがありました。


もうひとつは、ひとつの段落に、視点が複数存在すること。

例えばですが、ジュリア視点の文章があって、その後にカースティの視点や、他の人物の視点が書かれている事があります。

行間が空いていれば、すぐにわかるのですが、そういった工夫がなく、視点が入れ替わるため、場面によっては、誰の視点なのか、一瞬、わからなくなるという事が、しばしば発生します。

意外とストレスがかかる書き方で、個人的には、結構、疲れました。


内容は、個人的には面白かったものの、読みにくい部分もあって、誰かにオススメは難しいかもしれない、そんな小説でございました。

意外とあっさりしている内容

フランクが復活するまで、そして復活した後の描写は、しっかりしている一方で、<魔道士>たちの描写は、かなりあっさりしているところが、映画版と異なるポイントですね。

<魔道士>目当てで『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』を読むとガッカリしてしまうかも?

<魔道士>についても、意外と素直な性格で、映画版のような一捻りクセのあるものではありませんでした。

逆に、登場人物たちが素直ではなく、むしろ邪悪な存在として描写されているので、その対比なのかもしれません。

映画版の原作小説だからと、映画版のような恐怖を期待して読むと、かなりのガッカリが襲いかかってくるかも?

今回のネタバレなし感想のまとめ

個人的には、原作小説よりも、映画『ヘル・レイザー』の方が面白かったですね。

もうちょっと読みやすい構成であれば、良かったのになぁ……。

あと、電子書籍化してくれないかな?


という事で、今回は『ヘルバウンド・ハート(魔道士)』のネタバレなし感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

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