映画好きな四十郎のおっさん999でございます。
今回は、邦画ホラー『来る』の原作である小説『ぼぎわんが、来る』のネタバレなし感想を書いていきたいと思います。
ずっと読んでみたかったのですが、タイミングが合わなくて、スルーしておりました。
たまたま近所の図書館で発見しまして、早速、借りてみました。
目次
『ぼぎわんが、来る』について
著者:澤村伊智【第22回日本ホラー小説大賞・大賞受賞】
発行日:2015年10月30日
発行元:KADOKAWA
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
簡単なあらすじ
絶対に答えたり、入れたりしてはいけない――。
幼少期に不気味な体験をした田原秀樹は、社会人になり、幸せな新婚生活を送っていた。
ある日、秀樹の勤めている会社に来訪者があった。
秀樹の後輩である高梨重明が取り次いだのだが、その来訪者は「知紗さんの件で」と言ったらしい。
秀樹は、これから生まれてくる娘・知紗のことは、まだ周囲に話していないのだが……。
その日を境に、秀樹の周囲に奇妙な出来事が起き始める。
調べていく中で、その姿を現す<ぼぎわん>とは、一体?
万策尽きた秀樹は、ついに比嘉真琴という霊能力者を頼るのだが……。
ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)
『来る』のネタバレなし&あり感想
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おっさんのネタバレなし感想
映画と違って色々と説明のある原作小説
本作は、2018年に映画化された作品でございます。
私は、小説を読まないで先に映画を見て、割と楽しめたんですね。
ただ、映画の方は劇中での説明がほとんどなく、設定もかなり甘い感じになっていて、それなりに不満点はありました。
原作も同じ感じなのかと思いきや、小説は、そのあたり、きっちり描写しております。
日本ホラー小説大賞に応募された作品ですから、当然といえば当然ですね。
映画版の方で謎だった部分の大半は、原作小説で説明されております。
映画『来る』で満足できなかった方は、原作小説の方が楽しめるかもしれません。
個人的には、やはり映画版は、原作小説を超える事はできなかったと思います。
小説の方が面白い!
ちなみに、謎が完全に消化されている訳ではなく、敢えて説明されていない部分もあって、考察できる余白がありました。
ですので、考察好きの方も楽しめる小説だと、私は思います。
納得できる<ぼぎわん>の設定
映画『来る』の<ぼぎわん>は、基本的に『呪怨』の伽椰子みたいな存在で、個人的には<ぼぎわん>そのものに恐怖を感じることがありませんでした。
『ぼぎわんが、来る』に登場する怪異<ぼぎわん>は、一部、奇妙な行動をとりますが、基本的にきちんとルールがあります。
無差別に攻撃している訳ではなく、<ぼぎわん>なりに、ちゃんとした理由とルールがあり、それにのっとって行動しているんですね。
ただ、ルールが存在することにより、「絶対に絡まれたくないなぁ……」という恐怖が、私の中で生まれました。
映画『来る』での<ぼぎわん>にイマイチ納得できなかった私は、小説を読んでようやく腑に落ちました。
映画『来る』は『ぼぎわんが、来る』の映画化ではないかも
原作小説を読んで改めて思ったのは、映画『来る』は、『ぼぎわんが、来る』を正確に映像化したわけではなかったのだなということ。
『来る』は、原作の第一部は割と忠実なのですが、第二部と第三部は、かなり改変されています。
映画版は、この改変した部分を描きたくて、『ぼぎわんが、来る』を利用したのではないでしょうか?
これは、『藁の楯』と同じ構造のように感じました。
原作小説には、あまり「?」となる部分がないので、素直に映像化すれば、普通に怖いホラー映画を作ることができたはずで、邦画業界の原作軽視の姿勢が、垣間見えてしまいました。
今回のネタバレなし感想のまとめ
映画『来る』は、それなりに面白く、好きなホラー映画ではあるんですよね。
でも、原作小説である『ぼぎわんが、来る』は、それ以上に面白く、怖い小説でございました。
映画のように、奇をてらうような展開がなく、色々としっくりきましたね。
『来る』がイマイチだった方で、まだ原作小説をお読みになっていない方には、ぜひとも『ぼぎわんが、来る』をオススメいたします!
という事で、今回は『ぼぎわんが、来る』のネタバレなし感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
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