見つけてくださってありがとうございます。
映画好きな四十郎のおっさん999でございます。
今回は、Web小説サイト「カクヨム」に掲載され、書籍化された実話風ホラー小説『近畿地方のある場所について』のネタバレなし感想を書いていきたいと思います。
たまたま本屋で見かけて、購入した書籍。
最初は、実際の体験談をまとめたものだと思って読んでおりました。
目次
『近畿地方のある場所について』について
著者:『背筋』
発行日:2023年8月30日
出版社:KADOKAWA
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
簡単なあらすじ
情報をお持ちの方はご連絡ください。
この本に収録されている様々な形式の文章は、某オカルト雑誌に掲載する特集のために、ライターの背筋さんと、編集者で背筋さんの友人でもある小沢くんの手によって収集されたものです。
それらは、近畿地方の「ある場所」に関連した文章です。
背筋さんたちは、「ある場所」に潜む怪異の存在に気付きました。
そして、調査していく中で、小沢くんが消息を絶ってしまいました。
背筋さんは、小沢くんを探しています。
どうか、この本をお読み頂き、情報をお持ちの方はご連絡ください。
見つけてくださってありがとうございます。
近畿地方のある場所について
おっさんのネタバレなし感想
不気味すぎるホラー小説
大人向けの『学校の怪談』みたいな感じで、サクサクと読むことができました。
取材のために集めた様々な文章という体裁であるため、いろいろな形の文章を読むことができ、飽きたり、ダレることなく、最後まで読むことができます。
視覚的な恐怖というよりは、ジメジメと肌に張り付いてくるような心理的な怖さを楽しむことができる小説ですね。
わかりやすい怪異譚もあるし、掴みどころのない話もあり、怪談や都市伝説が大好きな方には、強くおすすめしたい一冊です。
雨穴さんの『変な家2 ~11の間取り図~』と似ている構成でして、一見すると、無関係な体験談や雑誌の記事、手紙などの資料が、ある点において繋がっていくという物語。
フェイクドキュメンタリー風に執筆されており、「実際にある事柄なのではないか?」という恐怖を抱きやすい構成になっていて、とてもゾワゾワしました。
『変な家』シリーズは、中盤からフィクションっぽい展開や要素が登場するので、途中から創作物として切り替えることができました。
しかし、本作は、最後まで本当にありそうな展開と要素しか出てこないので、読み終わるまで……そして読み終わった後でも、なんともいえない怖さがあります。
一応の真相は登場するものの、それぞれの資料の繋がりは、本編ではサラリと流されており、考察するために、自分なり資料を整理すると面白い発見があるかもしれませんね。
そこにあるかもしれない恐怖
本作のキーとなる「近畿地方のある場所」について、モデルがあるのかどうかは、私にはわかりませんが、大阪に生まれ、大阪で育った人間から見ると、本当にありそうなんですよね。
本作の怖いところは、フィクションとわかっているけれど、全部をフィクションと捉えることができない点だと思います。
本作では、たまたま近畿地方になっておりますが、怪異や怪現象を人々に感染させる「場所」というのは、日本全国各地に存在するのではないか?
昔からの言い伝え、親戚から言われた「あそこには絶対に近づくな」という警告が残る場所……各地にまだ残っていると思います。
そういった場所に心当たりのある人にとっては、本作の内容を身近なものとして捉え、恐怖を抱いてしまうかも……しれないですね。
本作はフィクションではあるけれど、全部がフィクションなのでしょうか?
もしかしたら、フィクションに織り交ぜて、実際の話があるのではないか?
そんなことを考えずにはいられない書籍となっております。
今回のネタバレなし感想のまとめ
基本的に伝聞形式で話が進んでいくタイプの作品なので、『変な家』と同じく、語り手に命の危険が及ぶことがありません。
そのため、本作を読んでも怖くないという方も一定数いらっしゃると思います。
これからお読みになる方で、「主人公に生命の危機が訪れる作品でないと恐怖を感じない」という方には、あまりおすすめはしません。
逆に、語り手に何も起きなくても、提示された事柄からイメージして恐怖を抱く方には、とてもおすすめなホラー小説でございます。
という事で、今回は『近畿地方のある場所について』のネタバレなし感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
見つけてくださってありがとうございます。
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