
ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。
今回は日本のホラー・コメディー映画『ハイサイゾンビ』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきませぅ。
『ハイサイゾンビ』ほど、自分の感想と世間の評価が対立する作品は、おそらく他になかったので、そういう意味では強烈な存在感を放っている邦画でございます。
目次
『ハイサイゾンビ』概要
製作:2014年日本
日本公開日:2015年4月3日
上映時間:45分
オススメ度:★★☆☆☆(二つ星)
予告編動画
『ハイサイゾンビ』のあらすじ
インディペンデント映画を製作している、沖縄の映画製作チームがあった。
いつか傑作と作って世にだしたいと思っている監督のドン。
ドンに今まで付いてきたけれど、そろそろ現実と向き合いたいトミー。
二人で撮影中のゾンビ作品で映画製作を終わりにする事にする。
中断していた撮影を再開するチームだったが、その時、本物のゾンビが現れ、チームに襲いかかる。
そんな状況の中、ドンは「こいつで映画を作る!」と言い出す。
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スタッフ
監督:高山創一
特殊メイク・特殊造形:西村喜廣
脚本:山田優樹、高山創一、知念だしんいちろう
キャラクター:キャスト
ドン:ベンビー
トミー:比嘉恭平
サラ:川満彩杏
コジャー:山城智二
ショーン:知念だしんいちろう

ハイサイゾンビ
『ハイサイゾンビ』のネタバレなし感想
『カメラを止めるな!』と似て非なるもの
ゾンビ映画を製作していたら、本物のゾンビが登場するというあらすじは、『カメラを止めるな!』の前半部分と似ています。
しかし、『ハイサイゾンビ』は、『カメラを止めるな!』には遠く及びませんでした。本作の方が早く作られているんですけどね。
その最大の理由が、一体なにをしたかったのか、さっぱりわからない物語にあります。
コメディとしても、笑える部分が一切なく、一体なにを思って作ったのか、全く意味不明。
一応は「本当の意味で生きること」を主題にしたかったのは、わかるようになっています。
ですが、演出はもちろん、俳優陣についても、一生懸命、映画を作ろうとしている感が全くなくて、終始、ゆるく映画が進行します。
そのため、ゆるさは観客に伝わってくる訳ですが、これが本当に「ゆるいだけ」でした。
面白さもそこにはなく、強烈なお芝居がある訳でもない。
クレジットで、共同脚本に3人もの方が名を連ねていて『ハイサイゾンビ』が生まれた事の方が笑えるし、ホラーです。
なぜ『ハイサイゾンビ』は世間では評価が高いのか
とはいえ、巷の評判ではむちゃくちゃ評価されている本作。
いろいろな方のレビューを読んでいると、「『ハイサイゾンビ』は面白いぜ!!!」っていう方には共通点があるようです。
ひとつは、ゾンビ愛に溢れている方。
どれくらい溢れているのかというと、ゾンビが登場しただけで、その映画を「面白い」と評価するくらい、ゾンビ愛に溢れている方です。
『ハイサイゾンビ』では、特殊メイクや造形に西村喜廣さんが名を連ねていて、グロ描写は非常に熱がこもっています。
確かに、グロ描写だけを見ると、かなり頑張っている作品なんですね。
だからゾンビ映画大好きっ子からしたら、和製ゾンビ映画で力の入っているグロ描写を堪能できるとしたら、それだけで評価があがるっているのもわかります。
わたしは、ゾンビ好きだけど、それよりも映画であることが前提にきてしまうので、そういった視点では楽しめなかった感じです。
ふたつめは、沖縄に思い入れがある方。
わたしは、高校時代の修学旅行に沖縄に行きましたが、良い思い出がありません。せいぜいバナナボートから海に落ちて溺れたくらいのエピソードしかありません。
そんな訳で、沖縄への愛が、これまた非常に薄い。もう一度、行ってみたい場所ではありますが、現時点では、知識としては、ほとんどありません。
そのため、ロケ地についての感動がなかった点で、評価がわかれる結果になったようです。
ちなみにロケ地も、沖縄全面協力のわりには、わかりやすい場所が選ばれておらず、ぶっちゃけ「沖縄じゃなくてもよくね??」みたいな印象が残りました。
沖縄発のゾンビ映画ってことで売り出している割には、沖縄に住んでいる人にしかわからない場所なんですよね。
本来なら、有名な場所を使うか、穴場的な場所を選ぶか、売り出したい場所で撮影するとか、何らかの狙いがあるはずなのですが、本作では、そのような意図も感じられず。
一体、この映画は、なにをしたかったのか?
色々と書きましたけど、本当のところ、『ハイサイゾンビ』がどうなのか気になった方は、一度視聴してみてください。

『ハイサイゾンビ』の良いところ
時間が短い
この作品は45分と短いんですよね。
だから、気軽に鑑賞できる映画ではあります。
そこが良いところですね。
楽しめるかどうかは置いといて……。
わたしは全く楽しめなかったので、この短い時間でも、正直なところ疲れた。
でも、この短さでなければ、絶対に途中で視聴を諦めていたでしょうなぁ。
街の雰囲気を楽しむ
日本の商店街にゾンビが出現するという構図は、非常にユニークです。
なぜ、ここにフォーカスしなかったのかというくらい、雰囲気があって素敵なのです。
沖縄らしさは全く出ていないのですが、一方で、日本の町並みを想起させる風景に死者が歩行しているというシーンは、色々グッとくるものがあります。
『ハイサイゾンビ』の悪いところ
主人公たちの思考が全くわからない
映画製作に没頭して、いつか有名になると夢見る大人たち。
ゾンビ映画を撮影していたら、本物のゾンビが登場してしまい、思案の結果、本物を使ってゾンビ映画を作るっていうのは、わかります。
わかるのだけど、本物のゾンビを使って、もし何かあったらどうする??っていう視点が完全に欠けているため、映画の世界に全く入り込めず、せっかくのコメディーシーンも滑っているように感じました。
ひとつひとつ、場面だけを切り取って見てみると、コメディー場面も笑えるんですよ。だから勿体ない。
映画として見た時に、本来笑えるはずのシーンが笑えなくなるという、悲しい結果になってしまっている。
だから、ちょっとでも良いから、トラブル発生時のことを考えるという場面が欲しかった。
考えなしで映画作ってたら、そりゃ噛まれるわ。
噛まれているのに、それを見つめるだけの主人公たちの方が怖い。
生きることよりも映画作りを優先するという、常人にはわからない思考を容赦なく見せつけてくれます。
また、それまで映画を作っていて、それを完成させたいって気持ちはわかる。
わかるけど、本物のゾンビが出てきたら、普通は世間に情報を発信しなければ!ってなるはず。
海外映画で既にやっているけど、ゾンビとの戦いをオンタイムでYouTubeなどで配信すれば、主人公たちの思っていた映画とは違うかもしれないけど、生きているうちにゾンビ映画を製作できた訳で、映画製作LOVEな割には映画について無知な主人公たちだなぁって思ってしまった。
とにかく主人公たちの思考に全く追いつけなくて、映画に入り込めませんでした。
せめて俳優陣や演出が飛び抜けてハイテンションなら、それでも楽しめたはずで、妙なところで優等生してしまった点が残念です。

純粋なゾンビではない
『ハイサイゾンビ』とありますが、厳密にはゾンビではない感じ。あくまでゾンビっぽいやつです。
本作におけるゾンビについては、設定が全く存在しないので、普通にゾンビ映画を見ようと考えたら大失敗します。
コメディー映画なので、ゾンビの設定を敢えて考えなかったのかもしれないですが、その場合、ゾンビLOVEな方にしかウケないんですよね。
映画として見ると、やはり最低限の設定は考えた方が良かったように思います。
ゾンビそっちのけで物語が進むのなら、まだ良かったんですけどねぇ……。
『ハイサイゾンビ』のレビューや評価
45分という尺で、あまり無理や背伸びを
YAHOO!映画
せずかちっと収まっているのでさっくりと
観れますよ。
『ハイサイゾンビ』のネタバレなし感想のまとめ
うーむ、これほど世間での評価が高いっていうのは、かなりの謎です。
今までは、自分の感想と巷の評判がかけ離れていても、ある程度理解できたのに、『ハイサイゾンビ』はちょっとわからない。
ということで、興味のある方は、一度チャレンジしてみてください。
正直なところ、オススメできない映画ではありますが……。
真相は、ぜひ、あなたの目でご確認ください!
という事で、ここまでは『ハイサイゾンビ』のネタバレなし感想でした。
これより下には、ネタバレありの感想を書いております。おっさん999のネタバレあり感想に興味がおありの方については、本作の鑑賞を終えた方のみ、ネタバレありの感想に目を通して頂けると幸いです。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
『ハイサイゾンビ』のDVD・Blu-ray・関連作品
おっさんとしてはイマイチでしたが、多くの人が面白いと絶賛しているので、ぜひ。
おっさんは、やはり『カメ止め』派です。
『ハイサイゾンビ』の監督、高山創一さんも参加した2014年の『琉球トラウマナイト』。
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『ハイサイゾンビ』のネタバレあり感想
そんな訳で、ここからはネタバレを含んだ、おっさんの感想を書き連ねていきたいと思います。

ロケ地表記しても良かった?
個人的には、コメディー映画であるなら、中途半端にしないで、ロケ地もあわせて表記させて、もっとコメディコメディしても良かったように思います。
コメディー部分が中途半端だったので、サラがゾンビの餌食になる中盤からシリアスに転じた時には、「最初からこの路線でやっていた方が良かったのでは?」と感じてしまいました。
前半に思い切り、コメディーに振り切っていれば、対照的な雰囲気を楽しむことができたのに……って感じましたね。
ゾンビと沖縄民謡を合わせたかった?
『ハイサイゾンビ』は、なにをしたかったのか、全然わからない映画です。
ですが、「もしかして、これがやりたかったのか?」と思えるシーンが一箇所だけあります。
それが、終盤で、女性のゾンビが沖縄民謡に合わせて、街を徘徊するというもの。
これは、とても雰囲気があります。
たぶん京都で「三味線にあわせて、舞妓さんゾンビを動かしたい」とかいっても、絶対に許可されないし、おそらく炎上しますしね。
沖縄民謡とゾンビの組み合わせを、おそらく撮りたかったのかな?って思うのですが、いくらなんでも、唐突すぎるシーンだなぁっていう印象が大きく残り、非常に残念でした。
という訳で、今日はここまで。
本当に最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!