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映画『藁の楯』は原作小説と違いすぎる!ネタバレなし&あり感想
(C)木内一裕/講談社 (C)2013 映画「藁の楯」製作委員会
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ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。

今回は、日本映画の『藁の楯』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきませぅ。

ずっとスルーしてきた映画ですが、正直、辞めときゃよかったよ……。

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映画『藁の楯』概要

製作:2013年日本

日本公開日:2013年4月26日

上映時間:2時間5分

オススメ度:★★☆☆☆(二つ星)

『藁の楯』の予告編動画

映画版『藁の楯』のあらすじ

元経団連会長である蜷川隆興の孫娘が清丸国秀によって殺されてしまった。

清丸国秀は過去にも同様の犯罪を繰り返し行っており、仮出所中の犯行であった。

蜷川は、清丸を抹殺すべく、ありとあらゆる手段を講じて、全国紙に全面広告を出し、さらに海外のサーバーを利用してウェブサイトを立ち上げ、日本国民に「清丸を殺めた者に10億円をだす」と発表する。

知り合いに殺されそうになった清丸は福岡で出頭。

警察庁は東京まで清丸を移送するため、厳重な警護――SPをつけることにする。

本作を視聴できる動画配信サービス

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スタッフ

原作:木内一裕

監督:三池崇史

脚本:林民夫

製作:北島直明、坂美佐子、前田茂司

製作総指揮:城朋子、ウィリアム・アイアトン

キャラクター:キャスト(出演者)

銘苅一基:大沢たかお

白岩篤子:松嶋菜々子

奥村武:岸谷五朗

関谷賢示:伊武雅刀

神箸正樹:永山絢斗

大木係長:本田博太郎

由里千賀子:余貴美子

公安の男:音尾琢真

清丸国秀:藤原竜也

蜷川隆興:山崎努




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おっさんのネタバレなし感想

『藁の楯』を映画館で上映していた数年前に、原作を読破いたしました。

その時、「これは素直に映画にしないな?」と感づいたため、映画版はこれまでスルーしてまいりました。

今回、魔が差して、アマプラでうっかり視聴してしまったのですが……ぶっちゃけ、上映当時、映画館へ行かなくて正解でした。


原作と違う……というか、ストーリーの筋は大まかに小説と一致しているけれど、明らかに作風をすり替えているんですよね。

原作はアクション作品に対し、本作は人間ドラマにしてしまっている。

そのため、アクション性に富んだ数々のアイデアが、全て無駄になってしまっているんですね。

映画版は、観客に考えさせるシーンを随所に詰め込んでいて、そこが全てにおいて滑るという奇跡の所業を成し遂げているのです。


原作はエンタメを重視していて、サラッと読めるけれど、立ち止まって考えることもできるという余白を設置しています。

しかし、映画版は強制的に観客を思考させようとしているので、壮大に大コケしてしまった感が否めないのです。


監督に三池崇史さんを起用している時点で、好き勝手にド派手に作ってもらっていた方が良いのに、どうしてこうなった。

観客としては、中盤で、ある程度、答えが出てしまうと思うのですが、劇中の登場人物たちがずっと葛藤しているため、面白くない……を通り越して、不快感まで感じてしまう点がバッドでした。

致命的にシナリオと作品の方向性が悪すぎる一方、キャストの方々のパワーでなんとか最後まで鑑賞できたという印象。

正直、どのような方にオススメして良いか、ちょっとわからない作品でした。

映画版のラストは意味不明

原作小説版では、納得のいく、ある種の爽快感を抱かせてくれるラストでした。

しかし、映画版『藁の楯』は、「なにこれ??」というものになっております。

散々、清丸の悪行を目の当たりにしてきた観客に対し、映画で提示されたラストは、あまりにも、ありきたりなものでした。

完全に、

このラストを最初から描きたかったから『藁の楯』という小説を選んだ

といっても過言ではないくらい、ありふれたラストでした。

ここでポイントなのは、制作陣は『藁の楯』を映像化したかった訳ではなくて、本作のラストを描くために必要な要素を揃えた『藁の楯』を原案に採用したというところです。

これは原作をバカにする行為なのですが、日本の映画業界では、今でも行われている悪しき慣習であると、おっさんは思います。


ストレートに原作を映像化できないから、アイデアを持って変更するなら理解できるのですが、「この結末を言いたいがために、他者の作品の利用する」のは、本当にやめて欲しいですねぇ。

この映画に参加した制作陣は、もし、この映画が失敗しても、自分たちが悪い訳ではなくて、原作が悪いって言う感じの人達なのではないか?そう勘ぐってしまうほど、徹底的に原作を馬鹿にしていました。

胸糞悪すぎる犯人、清丸について

藁の楯
(C)木内一裕/講談社 (C)2013 映画「藁の楯」製作委員会

清丸のモデルは存在するのか?

どストレートに「この人がモデルです!」という情報は入手できなかったのですが、多くの人が怒りを覚える過去のいろいろな犯罪者をモデルにして作られたのではないでしょうか。

日本の犯罪史に残る犯人たちは、書籍になっていたり、ドキュメンタリー作品として映像に残っているので、そういう資料から断片を集めてきたキャラクターなのかもしれません。

清丸が犯した罪と殺し方について

詳しくは書かれていないのですが、女の子に対し、顔を原型がわからなくなるくらい、殴り続け、その行為に興奮していた事が劇中で示唆されています。

2、3人ほど殺害した訳でなく、多くの被害者がいることも、言外に匂わせていますね。

女児に限定した連続猟奇殺人鬼と思われる清丸。劇中で数々のクズすぎる言動を繰り返しており、イライラがむちゃくちゃ募ります。さすが藤原竜也さんですな。

清丸の犯罪行為についての詳細を、観客の想像に任せることで、観客が清丸に対して抱く、ネガティブな感情を極限にまで引き上げたかったのかもしれませんね。

映画版『藁の楯』と原作小説版との違いについて

松嶋菜々子さん演じるキャラクターは原作に登場しない

その代わり、小説版には銘苅の後輩として白岩篤史が登場します。

白岩をヒロインに設定してしまったため、銘苅に与える心理的影響の意味が単純になってしまった点は残念でした。

この変更によって、物語の展開が少し異なることに……。

ちなみに松嶋菜々子さん演じるシングルマザーの白岩篤子は、後半の行動がボロボロすぎて残念すぎる存在に。

映画版と原作小説版で結末の描写が異なる

原作はアクション・エンターテインメントとしてストーリーが描かれているのに対し、映画版は無理矢理に社会派サスペンス系人間ドラマにしてしまったため、ラストの意味さえ変わってしまいました。

ラストを変更してしまったため、原作では意味のある人物だった「清丸の最初の犠牲者めぐみちゃんのお父さん」が、映画版では、金に目がくらんだ単なる登場人物の一人に成り果てていた点が非常に残念。

ラストを変更してしまった事により、映画の骨組みが大幅に変わってしまうことになりました。

銘苅の妻の死因が違う

映画版では、前科のある酔っぱらいの運転による轢き逃げで死んでしまいました。しかも前回逮捕された理由も飲酒運転。

つまり、映画版の銘苅は、蜷川氏と同じ境遇の人物ということになります。

小説版では、奥さんの死因は癌でした。

原作版の場合、奥さんを亡くした銘苅が等身大の人物として描かれ、事あるごとに苦悩する部分が描かれています。

短い時間(とはいえ2時間超えですが)で、ストーリーをまとめるために変更されたのでしょう。

この点は評価の分かれるところですね。

裏切り者の情報発信について

詳しくとネタバレになるので書くことができないですが、裏切り者が使用していた情報発信方法が原作と映画版とで異なりました。

原作小説では、この点はサラリと流せるような設定になっている一方、映画版では原作と何故か異なる方法を採用してしまったため、変に深読みできてしまうようになっており、それがラストになっても回収されないという、とんでもない展開になっています。

本当に、なぜ、日本映画の業界って、頑なに原作の内容を変えることに喜びを感じるのでしょうか。良い変更ならグッドですが、本作のように悪い方向に捻れるのならバッドでしょう。

『藁の楯』というタイトルの意味について

命がけの戦いの場において、わらのたてを持って命を守れるか?ってことで、つまり「意味がない」というのが、題名の意味なのかなーって思っております。

また、こんな考え方もあるかな?着地点は一緒なのですが。

自分の身(盾)を持って、犯人(戦闘中の藁=戦闘中には役に立たない)を守る意味があるのか?いやないだろう??どう思う??という問いかけの意味があった、とか。

小説を執筆した木内一裕さんは、どのような意図があって、このタイトルを付けたのかはわかりませんが、おっさんはこのように、勝手に考えております。

『藁の楯』の海外リメイクについて

本作は、2015年に海外勢によってリメイクされることが発表されました。

当初は、日本テレビ、All Nippon Entertainment Works、Depth of Fieldの3社が共同で製作するかたちで、2017年に公開予定だったけど……実はまだ製作すらされていないという状況。

2019年に状況に変化があり、Solstice Studiosというアメリカの独立系映画スタジオが製作に参加することが発表されたようです。

早ければ、2019年秋頃から製作をスタートする予定らしい。

一体どのような作品に仕上がるのでしょうか。

ちなみに原作小説は、海外では出版されていないでしょうから、純粋に映画版『藁の楯』のリメイクになるでしょうね。『リング』みたいに。

口コミレビューや評価

下記サイトで『藁の楯』レビューや評価をチェック!

Filmarks

映画.com

Movie Walker

今回のネタバレなし感想のまとめ

映画単体で観たら、あらすじを読んだイメージと作風が全然違うけど、まぁ楽しめるといった感じでしょうね。

先に原作小説を読むと、映画版の粗さと日本映画の業界の悪いところを堪能できます。

映画を先にみて、小説を読むと、色んな部分に納得できるので、この流れが一番良いかもしれません。


わたしは原作小説を楽しめた方なので、この映画版は正直ストーリーを楽しむことができませんでした。

しかし、役者陣の演技を楽しむことができたので、「時間の無駄だった!」ってことは思いませんでしたけれど。

原作小説を読破する前提で本作を鑑賞する分には問題ナッシングですが、映画単体だけだと、ちょっと辛い可能性があります。


という事で、ここまでは『藁の楯』のネタバレなし感想でした。

これより下には、ネタバレありの感想を書いております。おっさん999のネタバレあり感想に興味がおありの方については、本作の鑑賞を終えた方のみ、ネタバレありの感想に目を通して頂けると幸いです。


そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

DVD・Blu-ray・原作小説・関連作品

原作小説は、ちゃんとエンタメしています。作品に入り込む読書方法の方にオススメ!


映画版は微妙でしたね。小説より先に映画を鑑賞した方が良いです。



人間のクズを演じることに定評のある藤原竜也さん。素敵すぎる。


アイデアは似ているので、面白くなる要素はあったはずなのに……。

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『藁の楯』のネタバレあり感想

そんな訳で、ここからはネタバレを含んだ、おっさんの感想を書き連ねていきたいと思います。

藁の楯
(C)木内一裕/講談社 (C)2013 映画「藁の楯」製作委員会

映画版『藁の楯』のラストに爽快感なし

映画版では結局、清丸が普通に逮捕され、裁判が行われ、死刑になるという展開でした。

これはありふれたエンディングであり、散々「人間のクズを命を賭し守る価値があるのか?」という問いを投げかけていた観客を見捨てる行為であると、おっさんは感じました。

そう、まるで清丸が女児に対しておこなった事のように……。


原作ではちゃんとしたオチが用意されており、小説原作版『バトル・ロワイアル』と同じような爽快感があったんですよ。

だから小説では納得できた。

しかし、登場人物たちも、制作陣も問いかけの答えを用意しないという姿勢は、映画に対する愛さえないとも感じ取れます。


10億円という懸賞金をかけて、様々な人間の人生を狂わせた蜷川に対し「死者が(蜷川が懸賞金をかけて清丸を殺すことを)望んでいるんですか!」という説得は、絶対にやっちゃいけない事なんじゃないかな。

蜷川は自分勝手な願いを他者を利用して叶えようとしている「覚悟」がある訳ですよ。だから、事が終われば、蜷川自身も法に裁かれる「覚悟」がある。

にも関わらず、その「覚悟」を軽んじて、浅はかな説得を試みるラストに何の意味があるのか。

……って思ったら、蜷川さん、揺れ動くんかーい!!

最後に壮大なツッコミをしてしまったではないか!

ちくしょー!!

自前で用意したラストを使いたいから、人様の作品を用意してしまった点が全ての元凶なのではないか……そんな風に考えます。

それまではかろうじて良かったかもしれないですが、オリジナルで用意した結末で壮大に粉々に砕け散るという映画も、まぁ珍しいかもしれないですね。



という訳で、今日はここまで。

本当に最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

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