
『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』の感想を先日書いたのですが、実は意図的に、そこに書かなかった話があります。
あ、遅れました。
ども。映画好きな四十郎のおっさん999です。
小島秀夫さんのお名前を拝見すると自動的に、そして同時に頭の中に現れる名前があります。
伊藤計劃さん。
皆さんは、ご存知でしょうか。
あるいは、ノイタミナが発信した「Project Itoh」という文字なら知っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
伊藤計劃さんは、ゼロ年代を代表するSF作家で、「小島原理主義者」としても知られる方。
私がその名前を知ったキッカケを私自身覚えていないのですが、その時に「とにかく化け物みたいに凄い作家」という情報だけは掴んでおりました。
作品を読もうと思って調べてみると、SF作品である事がわかり、尻込みして、まだ伊藤計劃さんの書籍は読んでいません。
本来なら、自分の好みのカテゴリーに近い作品が発表されるまで待つ私ですが、残念ながら、この方法は使えないんですね。
なぜなら、私が伊藤計劃さんを知った時、伊藤計劃さんはすでに彼方の世界へ旅立った後だったんです。
そのうち『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』は読みたいなぁと思っていたのですが、そのままズルズル時間が流れました。
何かの記事で小島秀夫さんと伊藤計劃さんの交流を知り、それから私の中で、どちらかの名前があると、同時にもう一方の名前が浮かび上がるような形になりました。
『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』では、伊藤計劃さんについて書かれている箇所はひとつだけ。
だけど、その4ページから、かなり強力なエネルギーを受け取る事ができます。
目次
『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』
他者のMEMEを受け継ぐこと、それさえもが生きることなのだと。
『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』(小島秀夫)
『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』で伊藤計劃さんに触れている箇所はゲーム『メタルギアソリッド4』のノベライズ版を紹介している項目です。
ノベライズ、というより「イトウライズ」された作品なのだそうです、小島さんによるとですね。
その少ないページに、小島秀夫さんと伊藤計劃さんのMEMEとストランドを感じ取る事が存分にでき、お二方の作品を全く知らない私ですら、涙を流してしまった。
自身の作品を深く理解し、それを昇華させ、次世代に伝える。もちろん、そこには伝達者の思いも追加されている。
小島さんはそんな素敵なMEMEの受け手と繋がったにも関わらず、その受け手を喪失してしまう。
胸を引き裂かれるなんて生ぬるい、そんな思いをしたのかもしません。
でも、伊藤計劃さんは自分の作品に登場するキャラクターを通して読者に対し訴えかけます。
たとえ肉体が消えたとしても、物語という形を纏った人の想いは、ずっと誰かの心に残り、そこからまた広がる。
それもまた、生きるという事。
『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』という章を読んだ時、ふと、私はこれからの時代に必要な事はこれだ!って感じました。
自分の中にある軸
何かしらの創作物に触れ、自分の中に生まれたモノについて、色々と考える。
それが自分の中に軸を持つ第一歩です。
クリエイティブなものに触れ、そのまま満足して終わりだと、何も自分の中に生まれないし、外へ産み出す事もできません。
軸を持つには、インプットとアウトプットが必要です。
軸を持たないと、基準が自分の中に生まれず、周囲にながされてしまいます。
また、何かの情報を受け取ったとしても、思考せずに丸々受け取るか、思考なしで完全に否定するかしかできず、その情報を活かす事ができません。
自分の軸を持たないと、行き当たりばったりの意見しかできず、人の信用を失います。
そして、人と人のつながりが消える。
それは幸せな事なのでしょうか。
次なる世界が訪れる前に
今は超資本主義で、「お金(紙幣を含む)が一番価値あるもの」と錯覚している人々がいます(お金と商品は等価交換なので同じ価値なのです)。
そんな人たちはお金を手に入れるために仕事をしていたりする。
それ自体は別に問題ないけれど、それを「生きる」と勘違いしているとしたら、それはとても悲しい事だと思うのです。
都会に住んでいると時間の流れが早く、まるで「死に急いでいる」ように感じます。
それは、もう「死んでいる」のではないか?
お金に振り回され、自分というものがない人々を見ていると、本当にそれでよいのかなぁ?って思うのですね。
自覚して、他の選択肢があるのを知ってなお、その道を進んでいるなら、それは自分というものがあるので、それはそれで良い訳ですが、何も考えずに、ただ流されているだけの人は多い。
これからの時代、おそらく超資本主義は終焉を迎え、今度はどれだけ社会に、世界に、地球に貢献できるかに価値を見出す世界が訪れると思います。
そんな時、自分の中に自分なりの価値観のない人々は、果たして生きていけるのか?
その世界が訪れる前に、多くの方が自分の中に、ひとつの軸を持って生きる事を選択して欲しいって感じました。
ううむ、うまく言語化できず、自己嫌悪に陥りますな。
これからも定期的に『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』を読み返さないといけない、そんな予感があります。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
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