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冲方丁の原作小説を映像化した映画『十二人の死にたい子どもたち』のネタバレなし&あり感想
(C)2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会
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ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。

今回は、『マルドゥック・スクランブル』『天地明察』『はなとゆめ』『麒麟児』などの著作で知られる作家・冲方丁さんの小説を原作にした邦画『十二人の死にたい子どもたち』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきませぅ。


おっさんは、冲方丁さんの作品って、『黒の季節』『マルドゥック・スクランブル』くらいしか読んだことがありません。

『十二人の死にたい子どもたち』は、あまり興味を持てなくて、映画館へ足を運ぶこともせず、そのままスルーしちゃいました。


今回、2020年1月31日に地上波でオンエアされるって事で、なんとなくDVDをレンタルしてみましたよっと。

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『十二人の死にたい子どもたち』概要

製作:2018年日本

日本公開日:2019年1月25日公開

上映時間:1時間58分

オススメ度:★★★☆☆(三ツ星)

予告編動画

簡単なあらすじ

それぞれが秘め持つ理由で自殺を望む12人の若者が、ある廃病院に集まった。

厳格なルールに則って、自らの命を絶つはずだった12人の少年少女。

しかし、集合場所に集まったのは13人。

さらに謎の13人目は、すでに死亡している。

自殺はしたいが、誰かに殺されるのは許さない。

12人は疑心暗鬼に陥りながら、どうやったら、皆が納得して自殺できるのかを模索していく。

本作を視聴できる動画配信サービス

Hulu

会員の方は、本作を見放題にて鑑賞することができます。

配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。

紹介している作品は、2024年2月時点の情報です。

現在は配信終了している場合や、動画レンタル・動画購入対象作品に変更している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください。


Amazonプライムビデオ『十二人の死にたい子どもたち』

アマゾンプライム会員であれば、2021年7月7日までであれば、追加料金なしで鑑賞可能。

会員でない方は、動画レンタル、動画購入にて視聴可能。

配信期限がありますので、ご注意ください。

2021年6月時点の情報です。最新情報につきましては、Amazonにてご確認ください。

スタッフ

原作:冲方丁

監督:堤幸彦

脚本:倉持裕

製作:飯沼伸之、小林美穂

製作総指揮:伊藤響

音楽:小林うてな

主題歌:The Royal Concept「On Our Way」

キャラクター:キャスト(出演者)

サトシ(1番):高杉真宙

ケンイチ(2番):渕野右登

ミツエ(3番):古川琴音

リョウコ(4番):橋本環奈

シンジロウ(5番):新田真剣佑

メイコ(6番):黒島結菜

アンリ(7番):杉咲花

タカヒロ(8番):萩原利久

ノブオ(9番):北村匠海

セイゴ(10番):坂東龍汰

マイ(11番):吉川愛

ユキ(12番):竹内愛紗

ゼロバン(0番、13番):とまん



十二人の死にたい子どもたち

ネタバレなし感想

原作小説を読んでいるとオススメできない

映画版『十二人の死にたい子どもたち』について、おっさんは割と好印象でございました。

さほど悪くなかったなっていうのが、正直なところです。

しかし、他の方の感想を読んでいると、原作を先に読んでいる場合、この映画版は納得できないみたいです。

……これと似たような経験を、つい最近しましたね。

そう。

『藁の楯』

です。


『藁の楯』もそうなのですが、原作未読状態なら、それなりに楽しめる映画のようなんですね。

だから、評価が真っ二つに分かれてしまっている。

『十二人の死にたい子どもたち』も同様で、原作未読の方であれば、割と面白く感じることができます。


しかし、原作を読破した状態で、映画版を鑑賞すると、原作にあった作品の根幹に関わる部分が根こそぎなくなってしまっていて、もはや『十二人の死にたい子どもたち』ではないっていう風に感じるようです。

なので、もし、『十二人の死にたい子どもたち』に興味があって、原作をまだ読んでいない場合は、先に映画版を鑑賞してから、原作をお読みになる流れをオススメいたします。

犯人が存在するミステリー寄りの展開

てっきりデスゲーム系の映画かと思いきや、犯人がちゃんと存在している、シンプルなミステリータイプの物語展開でした。

13人目が存在していて、その人物が他殺かもしれない。12人の中に「自殺」ではなく「他殺」に興味がある人物がいる。その人物との心理戦をイメージしていたので、ちょっとビックリ。

自殺することが目的であるため、病院から出ることそのものは難しくないけれど、自分の意思で病院から出ることのできないという特殊な密室というアイデアも、かなりユニークでした。

デスゲームを楽しみにしていると、完全な的外れの展開にガッカリする事は間違いありません。

予告編もデスゲームを意識したものになっているので、そもそも映画製作会社の罪は大きいですね。

十二人の死にたい子どもたち
(C)2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

13人目の謎も解ける

ミステリー系の映画だった『十二人の死にたい子どもたち』。

もちろん、予告編でも取り上げられている、謎の13人目についても、ちゃんと解決してくれます。

文章だけではイメージしにくい各場面も、映像版だと比較的わかりやすくなっていて、ちょっとした謎解きもできるようになっていましたね。

わたしは、謎解きがあまり得意ではないので、そこはサラッと流しましたけど、中盤以降の謎解き展開に「あぁ、なるほどなぁ」って納得できました。

怖いけどつまらない前半と面白い後半

自殺したくてたまらない!って感じのキャラクターが少なからず存在していて、それはなんか怖かったですね、純粋に。

たくさん頑張って、色々試して、結果、死ぬ事を選んだから、そうなるのはわかるのですけどね。

しかしながら、前半は恐ろしく退屈です。

ひたすらに死ぬか生きるかの議論しかしていない。

議論しかしていない点は、別に問題ありません。問題なのは、そこから広げようとしない脚本です。


自殺する場所に誰かがいるところを選んだのなら、自殺する以外にも、何か目的があると思うんですよね。

だって、本当に自殺する覚悟を持っているなら、一人ですぐに実行するから。

でも、廃病院に集まった十二人は、ひとりでの自殺ができなかった。

だから、「死ぬ」以外の何かがあると推察できます。


本当の目的は、本人が自覚していない。

『十二人の死にたい子どもたち』の前半で、生き死にの議論の中で、各自の隠された目的が明かされていったのなら、まだ面白く感じたのですが、その要素がないので、つまらなく感じるのですよね。

一方で、謎解きも始まる後半で、登場人物それぞれの自殺したい理由が明かされていくので、後半は面白く感じることができています。


後半は展開もスピーディーで、前半の不要な部分をいくつか除いたら、もうちょっと見やすい映画になったんじゃないかな?

前半は俳優さんたちの熱演も相まって、むちゃくちゃイライラしますしね。

少なくとも1時間は我慢しないと面白くならないので、鑑賞のハードルが高い映画になっています。

爽快感のある結末

『藁の楯』と違って、本作のラストは、一種の爽快感があるので、それがせめてもの救いでした。

ちゃんと答えがあって、それが納得できるものになっている。

変に人間ドラマにしたり、感動大作にすることなく、きちんとエンターテインメント映画を貫き通した点は好印象です。

『藁の楯』は、人間ドラマにして、さらに感動巨編に仕立て上げてしまったので、壮大に爆ぜましたから。

十二人の死にたい子どもたち
(C)2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

映画よりドラマ向けだった『十二人の死にたい子どもたち』

「死ぬ」ことを通して「生きる」ことを考えるという作品でございました。

最近読んだ絵本で、『このあと どうしちゃおう』も、似たようなアプローチを試みていました。


さてさて。

『十二人の死にたい子どもたち』は、生きること死ぬことについて、どちらも凄く中途半端な描き方になっていました。

後半の1時間に全てを詰め込んでいるため、仕方ありません。

脚本を担当された方も、相当に難しかったっておっしゃっていたようです。

自殺する理由もいくつか変更したようですし。


でも、作家さんが考えたということは、そこに何らかの理由がある訳で、「映画だから変更しても良い」訳ではないはずです。

そう考えたら、内容を少しでも変える必要が出てきた時点で、映画ではなくて、数話で展開する1ヶ月のドラマとかにシフトすべきでした。

そうすれば、映像制作陣の本気度がわかるわけで、そういう意味では、映画版『十二人の死にたい子どもたち』の制作陣は、完全に手を抜いた状態で制作したっていう風に見えてしまいました。

口コミレビューや評価

理由はともあれ、十二人の少年少女がそれぞれ悩み苦しみ死を選んだ様が描かれていたのはよかった。

YAHOO!映画

演技力のある若手俳優・女優を使って、物語自体も悪くはないけど、如何せん誰ひとり共感ができない。

YAHOO!映画

話としては地味だったし展開少ないけど、伏線も見る人がするであろう考察も、オチも、劇中に全てピースにハめてくれる感じ。

YAHOO!映画

ネタバレなし感想のまとめ

『藁の楯』と『十二人の死にたい子どもたち』を通して、改めて、原作のある映画って鑑賞が難しいなって感じました。

『藁の楯』も『十二人の死にたい子どもたち』も、小説が発表された当時は映像化なんて想像していません。

読書する方で、興味があれば、本を読む訳で……だからこそ、映像化する際は、本当に映画で大丈夫なのか?ドラマの方が良いのか?ということを、作品重視で考えて欲しいですな。

日本映画の世界って、どうして、これほど原作を軽んじるのか。

だったら、オリジナルで映画作ったら良いのに(´・ω・`)


という事で、ここまでは『十二人の死にたい子どもたち』のネタバレなし感想でした。

これより下には、ネタバレありの感想を書いております。おっさん999のネタバレあり感想に興味がおありの方については、本作の鑑賞を終えた方のみ、ネタバレありの感想に目を通して頂けると幸いです。


そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

DVD・Blu-ray・原作小説や漫画など

原作小説を読む前に鑑賞しましょう。



映画版を観たら、ぜひ小説を読みましょう。おっさんも読みます!


漫画版もあります。小説が苦手な方は、こちらからどうぞ。




なんとなく、この絵本を思い出しました。


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ネタバレあり感想

そんな訳で、ここからはネタバレを含んだ、おっさんの感想を書き連ねていきたいと思います。

十二人の死にたい子どもたち
(C)2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

死ぬ理由の告白が早足だった

『十二人の死にたい子どもたち』で、一番肝心なところっていうのは、結局のところ、十二人の少年少女が「自殺」に行き着くしかなかった「理由」にあると、おっさんは思います。

12人もキャラクターがいるので、2時間では掘り下げられないっていうのは、わかります。

でも、そこから逃げちゃいけない訳で。


映画版『十二人の死にたい子どもたち』では、前半で数人の「死にたい理由」が明らかになります。

でも、終盤における、怒涛の「死にたい理由」ラッシュが凄すぎて、ひとつひとつ、その理由を受け止めきれない。

素直な理由だけなら、まだ良いのですが、最後に理由を告白するアンリが奇抜すぎて、「そもそも、どうして、ここに来たの??」ってなっちゃうんですよね。


他の人は、一人で死ぬ勇気はないけれど、みんなと一緒なら……って感じです。

でも、アンリだけは、確固たるメッセージを持っているし、頭が良い設定なので、もっと効率的かつ大々的にメッセージを拡散できる方法を採用するのではないか?って思うんですよね。

それこそ、テロリスト活動のような感じの無差別な犯罪を通じて、メッセージを発信しそうなものですが。

そこは火事で死んだ弟の存在があって、そこには至らなかったのかもしれないですが。


死ぬ理由に対しての掘り下げがないため、死ぬ理由の告白ラッシュ後に、「やっぱり死にたくない」ってなる流れも、イマイチ、しっくりこない。

ただでさえ「死」に対して軽くなっているところに、「生きる」ところも軽く扱っているので、重たいテーマを取り扱っているにも関わらず、鑑賞後に何も残らないって悲しいことになっています。


今の日本映画って、小説を映像化する力が、もはや残っていないのかもしれません。

リメイクするにしても、オリジナルの魂をまるごと引っこ抜いて制作するくらいですから、仕方がないのかもしれないですけどね。


という訳で、今日はここまで。

本当に最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

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