
ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。
今回は、『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』という心霊フェイクドキュメンタリー作品をご紹介します。
インターネットが普及し、DVDをTSUTAYA DISCASでレンタルし始めてから、このタイプの作品をあまり鑑賞しなくなりました。
お店にいって、初めて目にする作品群ですからね。
だから、2000年代に製作されたモキュメンタリー作品って、私はあまり知らないんです。
この作品についても、その存在を全く存じ上げませんでした。
この作品は『実録!呪われた』シリーズに属する作品との事。
『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』は、その中のさらに「都市伝説」というくくりの作品で、その第二弾。
まさかシリーズとは知らず、変なところからの視聴となりました。
『実録!呪われた都市伝説』シリーズは、全部で5作品ありまして、近日中に残り4作品を視聴して感想を書いていきたいと思っております。
そんな訳で、今回は『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきませぅ。
なお、本記事では、いつもとは違い、作品全体の感想をネタバレなし感想として、各エピソードの感想をネタバレあり感想として書いていきます。
目次
『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』概要
製作:2006年日本
日本公開日:???
上映時間:1時間1分
オススメ度:★★☆☆☆(二つ星)

あらすじ
平成になって、新しく増殖した有名な都市伝説を紹介するホラードキュメンタリー第二弾。
今回は紹介されているエピソードは以下の通り。
「死を招くカーナビ」「エンジェル様」「赤いクレヨン」「ともだちだよな」「さとるくん」「ひきこさん」「公園の怪」「コインロッカーベイビー」
本作を視聴できる動画配信サービス
Amazonプライムビデオ『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』
プライム会員の方は、追加料金なしで鑑賞可能です。
動画レンタル、動画購入はないみたいです。
配信期限がありますので、ご注意ください。
2023年3月時点の情報です。最新情報につきましては、Amazonにてご確認ください。
スタッフ
構成・演出:岩崎光助
製作:小林洋一、大橋孝史
プロデューサー:宇田川和恵、川島正規
ナレーション:斧アツシ
おっさんのネタバレなし感想
都市伝説とは何か?
期待していたものとは、全く違うテイストの作品でした。
都市伝説の紹介というよりは、実話怪談集。がっつり都市伝説を期待して鑑賞すると、鈍器で後頭部をものすごい勢いで殴られる、そんな作品となっております。
単純に都市伝説を紹介しているだけのエピソードもあって、そちらは、はっきりいって問題なし。
頭を抱えてしまうのは、都市伝説であるにも関わらず、存在しないはずの「体験者」が存在するエピソード。
都市伝説は「友達のともだち」から聞いた話で、それが本当の話かどうか、判別できないから拡散します。
もし、体験者という、はっきりした存在が登場してしまうと、それは都市伝説ではなくて体験談です。
怪談でもなくて、実話怪談になってしまい、そもそもの趣旨と大きくかけ離れてしまう。
製作者が怪談と都市伝説の区別を付けなかったばかりに、生み出されてしまった支離滅裂なエピソードたち。
それに関わった方々が可愛そう。
さらに、都市伝説を期待して視聴した人々や、真剣に都市伝説と向き合う方に対して失礼というもの。
体験者による投稿というアイデアを使いたいなら、投稿内容から類似した都市伝説を引っ張ってきて、そこから類似点を探り、現地取材するという構成の方が良かったのでは?
具材を下準備しただけで、それを皿に盛り付けてテーブルに出した感があって、残念無念。
もっと頑張れたはずなのになぁ……。
良いところ
サウンドノベル感が楽しめる
一部の都市伝説は、内容をナレーションと静止画で説明するだけにしています。
これについては、賛否あると思いますが、個人的には好きな演出でした。
というのも、演者の顔を意図的に画面に映していないため、『街』『忌火起草』『学校であった怖い話』などのサウンドノベルゲーム感がでているんですね。
これが、妙に味があって良かった。
変に創作を加えることもなく、都市伝説を紹介しているだけなので、この演出方法は大正解ですね。
現地取材とか真相とか、そんなもの考えないで、この方法で15個ぐらい、都市伝説を紹介した方が、よほど効率も良くて、観ている私達も満足できたのになぁ。
悪いところ
平成の都市伝説ではなかった
わざわざタイトルに平成の文字を付けているので、新しい都市伝説を紹介してくれるのかと思いきや、そのほとんどがインターネットが普及する前の都市伝説ばかりでした。
「平成」という時代を、どのように捉えるかによって、紹介する都市伝説は変わってきます。
もし、私なら、「平成」=「インターネット」と結びつけて、それにちなんだ都市伝説を紹介したい。
都市伝説は、新聞・雑誌・テレビ・ラジオにより、早いスピードで全国的に広がりを見せました。
私の子供の頃であれば「口裂け女」「人面犬」「人面魚」などですね。
それらメディアに代わるものとして、インターネットが登場。
都市伝説は、とんでもないスピードで汚染を広げていきました。いわゆる「ネットロア」というものです。
私としては、インターネットによって、一瞬で広まってしまった都市伝説を紹介してくれると思ったのに、インターネット普及前から、誰もが昔から知っている都市伝説ばかりで残念でした。
ネットにフォーカスしたら、紹介できる都市伝説が少なくなるのでは?
いやいや、実際のところ、色んな都市伝説があります。
インターネットが日本に広がる前に有名になり、ネットの力で数々の亜種が生み出された「斧男」、「だるまの話」のようなチェーンメール、ポップアップ広告にまつわる有名な都市伝説「赤い部屋」、ネットロアという言葉を日本に定着させた「怪人アンサーの話」など、調べると、どんどん登場する訳です。
実際、私は「だるまの話」を携帯電話で受信した経験がありますし、製作者さんも普通に考えたら、平成を象徴するような都市伝説を発見できたはずです。
そうであるにも関わらず、誰かが一度は取り上げたであろう有名な都市伝説のみをピックアップしてしまったのが、あまりにも残念です。

真相に迫らないでください
都市伝説の真相に迫るとはなんぞや?って感じですが、実際は投稿された体験談の真相に迫るという事です。
だから都市伝説の謎は解明されません。
それどころか、投稿者が体験した謎も全く解明されません。
一応のオチは用意しているものの、ムリヤリ感があって、スッキリしませんでした。
結局のところ、怪奇現象を解明するスタイルを、都市伝説にすり替えただけの作品で、特に野心もなく、観ていて疲れる作品でございました。
レビューや評価
YAHOO!JAPAN映画には本作のページがあるものの、どなたもレビュー・評価を投稿されていませんでした。
今回のネタバレなし感想のまとめ
変に頑張った結果、大失敗してしまった感のある作品。
私は、静止画とナレーションで構成されたエピソードだけを厳選して鑑賞したいのですが、それは無理な相談ですね。
この作品を製作した会社は倒産してしまっているので、DVDや配信をおこなう事はできても、作品の再編集版のようなものは作れないでしょうから。
なんにしても、色々と惜しい作品ではありました。
これだと、他の4作品もキツイ……かな??
都市伝説や怪談、心霊ホラードキュメンタリーなどがお好きで、お時間のある方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
という事で、ここまでは『実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集』のネタバレなし感想でした。
これより下には、ネタバレありの感想を書いております。おっさん999のネタバレあり感想に興味がおありの方については、本作の鑑賞を終えた方のみ、ネタバレありの感想に目を通して頂けると幸いです。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
DVD・Blu-ray
↓クリックして頂くとモチベーションあがります!



この記事をお読みのあなたにオススメの記事
ネタバレあり感想
そんな訳で、ここからはネタバレを含んだ、おっさんの感想を書き連ねていきたいと思います。
今回は変則的ではありますが、各エピソードの感想を書いていきます。

「死を招くカーナビ」
元々のオリジナルが秀逸だったため、番組用に改変したエピソードはオリジナル以下のクオリティーになっております。
オリジナル版は、恐怖の本質を「場所」に設定したのに対し、本エピソードは「車」「カーナビ」に、それを求めてしまった。
そうすると、投稿者の行動が、かなり不可解になってしまい、怪談としては勿論、都市伝説としての性質も著しく損なう結果に。
謎の解明も丸投げ状態で、そもそも、なぜ、この都市伝説を紹介したのか、意味がわかりません。
というか、この話は、そもそも怪談ですよね。
「エンジェル様」
エピソードの導入部分の静止画について、むさ苦しい、私のようなおっさん3人がエンジェル様をおこなっています。
うーん、エンジェル様は、どちらかというと女性がハマる降霊術だったんですよね、昔は。
今は違うのかしら?女性よりも男性が好む降霊術に生まれ変わったのだろうか?
キューピッド様とか登場したからかな?
こちらはナレーションと静止画のみで構成されています。個人的には良い雰囲気を味わえて良かったですね。
「赤いクレヨン」
カーナビと違い、一般的に知られている物語に近いエピソードのため、それほど違和感はない……が、それでも創作を容赦なく打ち込んでいるので、いかがなものか。
怪談・都市伝説としての「赤いクレヨン」ではなく、あくまで体験談として紹介されている点は、やはり駄目でしょう。
都市伝説の紹介という趣旨から逸脱しているように思うのですけど……。
それにしても、オチとして投稿者が会社を辞めたというけれど、事件から10年もの間、その会社に勤めているので、そこと繋げるのには無理があるようにも思います。
「ともだちだよな」
一部、スタッフによる創作がなされているものの、怪談・都市伝説を紹介するだけにとどまっているため、見やすく、わかりやすい。
こちらもナレーションと静止画で構成されています。
「さとるくん」
ナレーションと静止画で構成されている都市伝説。
この話も都市伝説というよりは、怪談に近いように思うけど、人によっては都市伝説に分類するだろうし、そこは問題なし。
余計なものがないので、見やすい。
「ひきこさん」
本作一番の問題作。
素直にひきこさんについての情報をまとめて、エピソードを作成すれば良かったけれど、創作意欲が高まってしまったのか、無理やり、白線流しとひきこさんをつなげてしまったのは、やりすぎでしょう。
ここまでするのなら、「ひきこさん」で、普通に映画を一本、製作した方が賢い。
あくまでフェイクドキュメンタリーなのに、都市伝説を解明しようとしたシナリオに頭を抱えてしまう、とんでもエピソード。
しかも解明できないという。なんじゃ、そりゃ。
「公園の怪」
これは、もう都市伝説ではなくて怪談ですね。タイトルも「探し物」の方が良いと思います。
それにしても、質問する内容がおかしい。
そもそも「一緒に探してくれませんか?」と言われたら、普通「なにを探しているのですか?」って尋ねるのでは?
材質とか、尋ねる必要あるのだろうか?
ナレーションと静止画で構成されていて、そこは良かったのに、内容があまりにも残念すぎる、そんなエピソードでした。
「コインロッカーベイビー」
これは有名な話で、実際に発生していた事件でもあったように記憶しています。
個人的には、コインロッカーベイビーを増やさないために、誰かが意図的に流布させたのではないか?って思っているのですけどね。本当のところは、わかりません。
スタッフが、多くの通行人にインタビューしているのなら、一人くらい村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』を挙げるのでは?
そこにリアリティーがなくて、なんともいえません。
さらにオチは監視カメラに幽霊が映っておりまして……みたいなもので、なんじゃそりゃって感じ。
最後まで頭を抱えてしまう、そんなエピソードでした。
という訳で、今日はここまで。
本当に最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!