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『富士五湖奇譚 呻母村(うめくぼむら)』のネタバレなし感想/考察しがいのある好みの分かれる雰囲気系ホラー映画
(C)2022 BBB
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映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回は、邦画のホラー映画『富士五湖奇譚 呻母村』のネタバレなし感想を書いていきたいと思います。

「呻母村」は「うめくぼむら」と読むようで、こちらは架空の廃村となっているようです。

事前情報ナッシング状態で鑑賞しまして、想像していたような作品とは違って、ちょっとビックリしてしまいました。

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『富士五湖奇譚 呻母村』について

製作:2022年日本

日本公開日:劇場未公開

上映時間:1時間9分(69分)

オススメ度:★★★☆☆(三つ星)

予告編動画

簡単なあらすじ

ある制作会社が集めた、一見、それぞれが独立して、関連性のないように見える動画たち。

だが、その動画たちは、全て、とある場所<呻母村>と繋がっていた……。


迷惑系ストリーマーである、おなりぃは、撮影仲間であるパイセン先輩と一緒に、廃村となった呻母村へ向かう。

目的地であった民家に侵入して間もなく、二人は奇妙な音を聞く。

驚いて、急いでその場所を後にする二人だったが、帰り道で、おなりぃは、あることをしてしまう……。


オカルトショップを経営している皆川は、霊媒師としてテレビ番組に出演していた過去を持つ。

ウェブ媒体のインタビュー記事の取材に応じていた皆川は、ある一軒家の除霊を行おうとしていた。


自称ダークツーリストとして活動しているミフユは、企業からのオファーに応じるために、呻母村へ向かっていた。

呻母村を取材して、動画を投稿して反響が良ければ、自信につながる――。

そう思って呻母村を訪れたミフユだったが、そこで恐ろしい経験をしてしまう……。

本作を視聴できる動画配信サービス

U-NEXT『富士五湖奇譚 呻母村』

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本ページの情報は2024年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。


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スタッフ・キャスト

監督・脚本・企画・原案:望月健二

製作:加瀬林亮

エグゼクティブプロデューサー:藤本剛史

プロデューサー:永井隆、望月健二

撮影:吉沢和晃(BAGUS)

録音:西山秀明

ヘアメイク:MAFUYU

音楽:武野誓眞

デザイン:PWS

製作協力:新堀土筆、榊雄太、石津志穂、佐藤友彦、橋本昌博、黒川幸子、内藤龍彦、米山龍登、木下(BBB)

出演者:瀬田佳奈子、田中達也、佐藤まんごろう、豊田将大、永井理沙、金子麗、太田雅之、三浦清光



富士五湖奇譚 呻母村

おっさんのネタバレなし感想

雰囲気を怖がるタイプのホラー

怪現象やわかりやすい怪異が登場するタイプのホラーではありません。

本作は、不気味な雰囲気に恐怖するタイプの雰囲気系のホラーとなっております。

廃村のロケーションは素晴らしく、何かがいるような……そんな雰囲気を漂わせている感じで、個人的には、とても良かったですね。

野生動物や、他者との関わりを絶った人がいてもおかしくない場所で、色々な恐怖を想起させる演出になっていました。


また、本作は、俳優さんのお芝居で魅せていくホラーでもあります。

何もないけれど、登場人物が意味ありげに視線を動かしたり、周囲を見回したりするなど……そういった行動に不安感を抱くことのできる人であれば、割と怖い映画だと思います。


アマプラでの評判がかなり悪い本作ですが、個人的には、意外と楽しむことができました。

ただ、誰かにオススメできるかと言うと……人を選ぶ作品ではありますね。

B級映画、Z級映画を日頃から嗜んでいる方にはオススメできるけれど……という感じの作品でございます。

考察したくなるホラー映画

本作は、随所に様々なヒントを散りばめていて、考察したくなるような構成になっています。

「呻母村」について、ある程度の情報が出されているのが、おなりぃのエピソード。

次に3つ目のミフユのエピソード。


2つ目のエピソードについては、霊能力者の皆川氏の話がメインで、正直なところ、「呻母村」についての情報がほとんどありません。

実質的には、2つのエピソードで構成されているような感じになっているのですが、「呻母村」のヒントは、かなりぼかして、観客に提示されています。


そのため、考察をしないタイプの人にとっては、不完全燃焼感が残り、不満が募る作品に仕上がっています。

一方で、考察するタイプの方にとっては、「呻母村」のヒントが多くもなく、少ないでもないという、割と良い感じにヒントが出されているので、ついつい考えたくなる作品となっています。

B級映画、Z級映画が好きで、考察を大好きという方には刺さる映画なのではないでしょうか?

登場人物のほとんどがダメ人間

本作に登場する人物のほとんどが、基本的に良い人間ではありません。

最初に登場するストリーマーのおなりぃやパイセン先輩ことバッティは、ゴーストハント系の配信者ではなくて、迷惑系の配信者で、やってはいけないことをやりまくるスタイルのキャラクター。

「いや、あかんやろ」とツッコミを入れてしまうくらいのダメな人物たち。


霊能力者の皆川氏、皆川氏にインタビューしている取材班、皆川氏に除霊を依頼した男性は、思いやりに欠ける人物たちで、配信者たちほどではないにしても、やっぱり関わりたくないような人物たちとして描写されています。


ダークツーリストのミフユさんは、これといってなにかある訳ではなかったですが、どうなんでしょうね。

動画投稿者っぽいのですが、どういう人物なのか、エピソードを見ても、イマイチ掴めない。

他の登場人物に比べて、まだ普通の人って感じですね。

ただ、撮影途中で、勝手にヒートアップして、自分の主義主張を語りだす場面を見ると、なんだか複雑な気持ちになります。


基本的に良い人間がほぼいない映画なので、1時間ちょいの映画なのですが、ちょっと疲れてしまう作品になっておりました。

最後で台無しになってしまったホラー

3つのエピソードは、それぞれの動画データを編集して繋げている……この点は問題ありません。

ただ、4つ目のエピソードで、全てが台無しになってしまった感じが、どうしてもあるんですよね。

相変わらず最低なことをしでかすパイセン先輩やミフユさんは、どういう状況での撮影なのか、はっきりしているので、全く問題ありません。


状況がイマイチ不明なのが、皆川氏に再度インタビューを敢行しようとしている取材班。

取材前に、すでに撮影をスタートしており、一体、どういう理由で皆川氏に会う前から、カメラを動かしていたのか、判然としない。

その理由がきっちり劇中で提示されていれば良かったのですが、それがなかったので、フェイクドキュメンタリーの約束事からはずれてしまっております。


問題なのが、本作を製作したと思われるスタッフに関する映像で、防犯カメラの映像は良いのですが、それ以外の映像は、一体誰が、どのような目的で撮影しているのか、全くわからないんですよね。

誰も撮影していない謎の映像が、ラストに紛れ込んでいるという状況で、他のフェイクドキュメンタリー作品と同じ過ちをしてしまっている点がもったいない。


それまでは、日本映画にしては、クオリティー高めなフェイクドキュメンタリー作品だなって思っていたのですが、最後の最後に「あぁ~やってしまった……」と、うなだれてしまいました。

このあたりは好みの問題なので、気にならない方もいらっしゃると思います。

ただ、私としては、最後までフェイクドキュメンタリーを貫き通すことができなかった点が、とても残念でした。

口コミレビューや評価

下記サイトで『富士五湖奇譚 呻母村』レビューや評価をチェック!

Filmarks

今回のネタバレなし感想のまとめ

もうちょっと色々な部分をきっちり製作していれば、もっともっと良い作品になったと思う本作。

さらに、電子書籍やSNS、ブログなど……そういったメディアミックスができれば、もしかしたら、和製『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』になったかもしれない……そんな作品です。

底力はある作品なので、いつの日か、もっとしっかり脚本や設定を突き詰めて、リメイクして欲しい映画ですね。


という事で、今回は『富士五湖奇譚 呻母村』のネタバレなし感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

DVD・Blu-ray

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